3月に入って徐々にですが、春の陽気を肌で感じて、リアルに春服の重ね着が出来る様になって服好きには楽しい季節に入りましたね。
店でも春服の長袖アイテムはほぼ揃って、今週全て店頭に並べました。春服を提案出来る体制は万全ですので、是非店に覗きにいらして貰えたら嬉しいです。
新しいアイテムについて語りたくてウズウズしてますので。
今回のブログでは、実は秋に入ってたんですが、すぐにサイズ欠けしてしまって紹介出来なかったアイテムが再入荷したので、そちらをご紹介したいと思います。
8月のブログで、ジョンブル展示会にて一目惚れ 其の一というタイトルで上げましたが、実はこちらが其の二でした。
ハンティングテーラードJKT & パンツのセットアップアイテムです。そういえば其の一もセットアップでしたね。
一見チノ生地のカジュアルなセットアップかな〜との大人しい見た目ですが、上も下も細かなディテールがかなり凝ってて、しかもバランスも実は結構攻めてます。純粋にやりたい事をやり切った感じで、デザイナーの趣味枠な匂いプンプンのアイテム。
内に秘めたファッション魂が炸裂したこんなのには、自分も魂が揺さぶられますね。しかも、生地やディテールがアメカジに落とし込んでてより気になって仕方ないヤツです。
まずは生地ですが、上下同じ生地を使ってて、とにかく分厚いチノ生地です。
個人的な印象ですが、打ち込みの強いパリッとした軍チノの様な生地ではなくて、分厚いけどゴツくなく、ふっくらとして滑らかなモールスキンのような上品な生地で、アメリカではなくヨーロッパの匂いがします。なので、泥臭くなく、でもキッチリし過ぎない良い塩梅の生地ですね。セットアップに凄く合ってる生地だと思います。
ではまずJKTから個人的分析したいと思います。
型はかなりVゾーンが狭い3ボタンのラペル付きテーラード型で、裏地は無しの一枚仕立てです。
アームはストンと太めで、Aラインのタップリ目なバランスで、フランスやイギリスの制服的なワークウエアのバランスです。
ただ作りはしっかりテーラードで、裏地もキッチリパイピング処理されてますし、袖も立体縫製で、繊細な作り。歪な箇所はありません。
そんな型に、ディテールでアメリカのハンティングをプラスしてます。
前合わせのボタン部分にゲームポケットを連想させるステッチを入れて、両サイドのポケットにはフラップ+ボタンで完全にテーラードJKTではなくハンティングJKTのディテールです。
肩がラグランであったり、見頃の縫製が2本針のチェーンだったりワークな匂いも漂わせてます。
でも、袖口がボタンで開閉できる本切羽であったり、センターベントであったり、右ポケット上に両玉縁仕上げのチェンジポケットが付いてたり、テーラードのディテールも垣間見せます。
とにかく色んなディテールが混ざってて、でも違和感なく存在してます。これはやっぱりデザイナーの腕だなぁと思います。古着のディテールを今な生地で仕上げたり、サイズバランスを変えて今な気分に落とし込んだり、いわゆる企画的な服が多い昨今ですが、それとは違うデザイナーの知識とセンスで組み上げられた服。しかもアートではなくてリアルクローズ。やっぱりこんなのは圧倒的に欲しい!着てみたい!と思わされます。
あと、最後にここもかなりグッと来たポイントで、第1ボタンがやや上にズラして付いてます。これによってボタンを付けた時のバランスも面白くなりますし、ラペルのVゾーンも狭くなってボタンを外した時のバランスも変わります。
こんなのまず自分では思い付かないし、デザイナーの素晴らしいセンスだと思います。
生地良し!デザイン良し!重ね着も出来て、オーセンティックディテール満載で、日本製。これでこのプライスは間違いなく安いと思います。
パンツもかなりヤバい感じなのですが、そこまでここで書くといつもの2倍の文章になってしまって読むのが辛いと思うので、パンツのお話は店頭でさせてください。
正直パンツの方が趣味性が炸裂してます。ひとまずは画像にてお楽しみ下さい。
自分と砂永は長期戦の覚悟でセットアップでの購入を計画してます。
いつかこのセットアップにブラウンのウールハットを被って、チェックシャツにネクタイにオールデンを履いて何かの式に出てみたいなぁ。
それでは、また。お店にて!
ストックマンマーケット調布 伊藤
Johnbull展示会にて一目惚れ 其の二
19/03/09
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