いよいよ9月末。毎年10/1にお店の衣替えをするので、もう秋モノは半分は入ってますが、このタイミングで真冬手間までのが一気に入ってくるので、ウチ的には秋冬シーズンが本格到来です。
周りに比べると大分遅い衣替えですが、昨今の気候を考えると、9月もまだTシャツにショーツでいけますし、9月にお盆の振替で休日を取る方も多いので、レジャーの為に夏物が必要な方も多いので、現実的にこれくらいが丁度いい様な気もします。
ただやっと服をしっかり着れる季節の到来は毎年の事ながらワクワクしますね。
皆さまもお楽しみに!
今回は、東洋エンタープライズの、実名復刻ブランド、HEAD LIGHT(ヘッドライト)より、スペシャルな逸品が入荷しましたので、ご紹介したいと思います。
毎年秋のこのタイミングで、ヘッドライトのカバーオールは定期的にリリースされてて、毎年は王道の30年代〜40年代チンスト、チェンジボタンのデニムと、ホワイトキャンバスのカバーオールを展開していましたが、
今回は40年代、第二次世界大戦期に作られた、大戦モデルと呼ばれる、生産期間も短い、非常に珍しいモデルが復刻されました。
第二次大戦時、戦いが激化していく中、大量の軍事品需要を賄う為に、様々なモノに物資統制がかけられました。
とにかくあらゆるモノにかけられた様で、その影響は衣類にも及び、生地や縫い糸、金属のボタンと、特にワークウエアに関しては全ての部材に対して影響を受けました。
まず、生地はより薄くて安価なモノに変更、必要最小限の使う生地を減らす。
縫い糸を減らす為にステッチも少なく。
ボタンも、各メーカーの刻印入りのモノではなく、軍指定の簡素的な月桂樹の抜き打ちボタンを使わなくてはなりませんでした。
今ではあまり考えられない事ですが、ある意味戦争というのは、こんな普通に考えたら異常な事が起きるのだなと、戦争の恐ろしさが垣間見えますね。
その結果、4つあったポケットが2つになり、フラップも無し、補強スレーキも入ってない、ただ、四角く縫い付けたポケット2つ付くのみ。
ただタグは流石に削除の対象にはなりませんでしたが、胸ポケットが無いので、絶妙な位置に付いてます。
本来3本の糸で縫われていたステッチは2本の簡単な仕様に。
袖のカフスも、ボタンが1つのシャツの様な簡単なモノに変更されています。
生地も、インディゴに硫化染料を加えた大量生産品のデニム生地になってます。
加えて生地を節約する為か、普通のカバーオールよりも明らかに短く、完全なボックスシルエット。
と、ここまで書くとある意味手を抜いた、廉価版な印象ですよね。
自分も展示会での初見は、大戦モデルか〜と正直マイナスにイメージでした。
が、しかし…
着てみると…非常に良いのです!
胸ポケットが無く、フラップも無く、縫製も2本針で、余計なステッチは極力入らず、アッサリ。
チンストがない分台襟も削除され、襟がねてラペルとVゾーンが出来ます。
そうなんです。簡素化された結果、ワーク感は殆ど無く、カバーオールでは無く、デニムのテーラードににしか見えない出で立ち。
アメカジアイテムを、普段着にサラッと着たいウチとしては、コンセプトど真ん中。見事にシンクロしましたね〜
ビンテージ的にはマイナスに硫化染料の混ざったブルーの色合いも、テーラードという目線で見ると凄く相性の良い色合いです。
ある意味偶然の産物ではありますが、手を抜いたお陰で、洋服に近づいた訳ですね。非常に面白いです。
ただ手を抜くと言っても、あくまでも昔の仕様ですし、そこは東洋さん!生地の色合い、ポケットのステッチの掛け方の簡素化した仕様、全て完全レプリカしてますので、今作るのは全く簡単な事では無いです。
こんな本気のレプリカがファッションとして使える道が見えた瞬間…
そこに僕の考えるファッションの面白さはあります。そんな意味では典型的なアイテムかもしれません。
レプリカの本気度が高ければ高いほど、それが普通に洋服に見えた時の快感も大きい訳で、そう言った意味では、東洋さんでしか出会えないアイテムだと思います。
おまけの仕様ですが、今回の大戦モデルはあえてボタンだけは、30'sのチェンジボタンになってます。
初期の方では、月桂樹ではなく、手持ちのボタンを使ったモデルも存在したらしく、非常に珍しい仕様ですが、こんなところはレプリカの良い所ですね。
確実にチェンジボタンの方がカッコいいです‼︎
凄まじく欲しいですが、僕のサイズは売れてしまい、店頭には36と40で用意してます。
恐らくというか、間違いなく、来年は出ませんし、当分出るネタではないので、響いた方、本気でお早めに。
それでは、また。今週も洋服を楽しみましょう。
ストックマンマーケット調布 伊藤
簡素化ながらもスペシャルな逸品
19/09/28
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