先週から、ゆっくりではありますが、インスタでは秋物の新作のご紹介をしています。

まだ日中は暑いので、季節が変わるにはもう少し時間が必要ですが、やはり服好きの皆さんは、もう気持ちは秋物の様ですね。

まだ、そこまで新作が出揃っていない状況にも関わらず、インスタ、ブログで取り上げたアイテムの反応が物凄く早い！新作への期待感の表れですよね。ホント有難い事です。


そして、今回ご紹介するアイテム。ブランドや型に関しては、店頭ではお話ししてましたが、どんな配色、カラーにしたかは勿体ぶって公表しておりませんでした。

今秋に、3アイテム別注アイテムを企画していまして、そのトップバッターがコチラ。

メイドイン、カナダのリアルラグビーウエアメーカー、BARBARIANの、けろ僕らがフードリアンと呼んでるフードタイプのラガーシャツの、調布店別注モデルになります。

2年前にも、砂永発案カラーにて別注してるので型自体は持ってます！という方や、見た事あるという方もいらっしゃると思います。

基本的な型や、ボーダーパターンは一緒で、今回配色も、ボーダーアイテムとしてはド定番の、キナリ×ネイビーにしました。


初めてご覧になる方もいるかと思いますので、このアイテムについてご紹介しますね。

バーバリアンは、カナダのラグビーウエア専門メーカーで、今現在は実際の競技では中々使われる事が無くなってしまいましたが、クラシックなラグビーウエアを自国生産で、全くスタンスを変えずに、作り続けているブランドです。

創業は確か1980年代と、そこまでめちゃくちゃクラシックとまではいきませんが、創業当時、世界各国のラガーシャツを集めて、強度的に不安な箇所を徹底的に洗い出して作り上げた、まだ天然素材でスポーツをしてた時代
の、ホント末期の究極仕様のスポーツウエア。要は、単純な服では無く、本気のギアなウエア。

でも、素材はコットン100%なので、着心地もいつもの服だし、アメカジ目線としては大好きな、12オンスという超ヘビーなコットンジャージー、(キャンバーのマックスウエイトよりも、ティージーのHDCSコットンよりも全然厚いです。)なので、長年愛用出来るし、秋冬には重ね着にメチャクチャ使える厚さなんです！

そんなクラシックなラガーシャツがベースのウエアですが、今回のフードリアン型は、もう20年以上バーバリアンの日本の窓口を務める代理店別注の型。なのでラグビーウエアではありません。ラガーシャツをベースに作った服という立ち位置。

フード付き、でも襟元はラガーシャツらしくボタン付きの開く仕様。でも、袖口にはスポーツウエアらしいリブは無く、カットソー仕立て。前開きのボタンも敢えて1ボタンで(普通のラグビージャージは2つボタンです。)開きを浅くしてたり…。

本気なスポーツウエアの土俵で、完全なる洋服なアプローチ。そこが、僕らのスタンスにドハマりで、このモデルが代理店さんよりリリースされたのは、もう10年以上前ですが、リリース当初から、インラインも、別注も含めて、ホント様々な取り組みをした、重ね着がテーマの、ストックマンスタイルを形作る上で、一つ象徴的なアイテムなんです。

実際僕も、配色違いで3枚持ってますし、一昨年、ウチの会社が創業20周年で、スタッフ皆で集まった時、皆それぞれのストックマンスタイルで集合しようとなった時も、僕的にも真っ先に着用を思いついたアイテムでした。

どんな理由でウチの重ね着スタイルに合うか。

①まずは、この生地の絶妙な厚さです。

現在のストックマンスタイルを作る上で欠かせないアイテム、ティージーのバスクシャツ同様、スエットより薄くて、Tシャツより厚い生地。コレが、ウチの基本スタイルでもある、インナーにBDシャツを着て、JKTを羽織るスタイルの真ん中に1番収まりの良い生地の厚さなんです。

スエットの様に裏地のある生地だと、秋冬よりのJKTには合いますが、シャツコートやシャツJKTの様な薄物は着れませんね。バーバリアンなら裏地ない一層生地なので、どんなJKTも上にも着れますし、ネルシャツやワークシャツの様な厚手のシャツのインナーにも収まります。

加えて、バーバリアンは12オンスのジャージー生地なので、生地の見ため的にはスエットにも引けを取らないふっくらした生地感があります。なので着こなしもアッサリならない。しっかり重ねてる感も出ます。この生地感はバーバリアンの様な、元が服ではなくスポーツウエアならではですね。チャンピオンのリバースウィーブもコレ。ミリタリーもそうですが、やっぱり本気の用途があって作られた素材やディテールは魅力的ですね。

②襟元にVゾーンが作れる事

個人的にフードリアンのディテールの1番好きな所。ラガーシャツに寄せてるので、フードが付いてるけど、襟元がラガーシャツの様にボタン付きで開く仕様になっています。

このお陰で、フード付きなのに、襟元にVゾーンが作れるのです。

フードアイテムって重ね着に使うと、フードのボリュームが出てスタイルとしては凄く有効なのですが、どうしてもフードの重さで後に吊られるので、襟元が狭くシャツの収まりが難しかったりします。

しかし、フードリアンは襟元が開くお陰でフードの重さも両サイドに逃せますし、(実際コレで、フードの重さからかなり解放させますし、フードの立ち上がりも良くなります)シャツもしっかり見せる事が出来ます。何ならネクタイを見せる余裕があるくらい。

ただ、普通のラガーシャツより、ボタンを減らして開きを浅くしてるので、シャツの見え方がホント理想的で、しっかり見せられるけど、出過ぎない感じなんですね〜。あんまり開き過ぎると、フードが寝過ぎてしまうので、この開きなのだと思うのですが、この辺が実に洋服的なアプローチ。この仕様はフードリアンのみ！他の服では見られません。

③袖口、裾口にリブが無い

コレは、ティージーも同様ですが、やっぱりリブ無しの方が、圧倒的にインナーにシャツが着易いです。

普通のラガーシャツは、袖口にしっかり目のリブが付きますが、フードリアンでは敢えて外してあります。フードリアンをパーカーと捉えて普通に考えればリブは付ける所ですが、そこは代理店さんの匙加減。ボーダーパターンがナバルパターンだったので、カットソーに寄せたのでしょう。上手いですね〜。重ね着する上でコレもかなり有効ポイントです。

④切り替えのボーダーパターンである事

初めて代理店さんから、このフードリアンがリリースされた時の最初のモデルがこのナバルパターンでしたが、無地だったらインナーに着た時ただのパーカーだし、全体がボーダーだと、インナーのシャツが柄の場合、柄×柄でケンカしてしまいますね。

その点、胸元からフードに掛けて無地なので、インナーのシャツの色柄は何でもOK。ボーダー柄も入ってるので、より重ね着してる感も演出できて、この三位一体な感じが良いんです！凄く好きなんですよね。

以上、こんな理由で僕らのスタイルにドハマりするアイテムな訳です。

こんな良いアイテムが、ティージーの様に、何故常に店頭にないのかと言うと、型としては残っているのですが、現在は代理店さんの方での製造はしていないモデルでして。ただ、コレはバーバリアンの伝統でもありますが、チームオーダーというシステムがありまして、1チーム分の枚数(現在は1ロット24枚)からパーソナルオーダーが出来るのです。

ですので、バーバリアンに型さえ残っていれば自由な配色でオーダーが出来る訳で、前回の別注もそうだったのですが、今回もそのシステムを使って作って頂きました。なので、今回も限定24枚。世界中に24枚しか存在しません。(実際、ココに僕も砂永分も入ってるので、実質22枚ですね。)コレって凄いですよね！


今回の別注は、僕が担当しましまが、敢えて配色は、超ド定番の、キナリ×ネイビーにしました。

重ね着を考えた場合、この配色はやっぱり外せません。もう10年前以上着てる同じ配色のフードリアンも、毎年必ず結構な頻度で着て、店頭でもそれはないのかと良くお声掛けも頂いていました。

不思議にこの配色は、無地にもチェックにも、キレイめ、アメカジ、アウトドア、どんなスタイルにもハマるんですよね。重ね着というテーマで考えた時、間違い無くどんな場面でも使えます。

でも、調布ではセントジェームスを取り扱ってないので、この配色のアイテムをまだしっかり提案出来てないなというのが結構前から、店の(僕の)課題でもありました。そこで今回は、色々面白い事は我慢して、あくまでも皆さんのスタイルの土台になるアイテムと思い、定番配色に至りました。

ただ！せっかくの別注ですので、何かはやりたい‼︎という訳で、コレは自分の中でずっと温めてた企画、フードの内側をボーダーにしました。

バーバリアンのフードは、生地が2枚仕立てなので、外側と内側で生地の色味を変えられるます。僕の持っているのもそうですが、通常この配色であれば、フード内側は色を拾ってネイビーがセオリーですが、とある着こなしにフードがボーダーという要素を使いたくてボーダーにしました。

しかし、代理店さんに気軽にオーダーしてみたものの、フード内側に柄物は、ほぼ前例が無かったようで、最初代理店さんからは難しいかもと言ったご返答でした。(実際、カナダの本社は、ものづくりに凄く慎重な体制らしく…。だからこそ、40年近く同じ生産体制でやってこれてるんでしょう。)

1番の懸念材料が、フード自体2枚の生地で構成されてて、ボーダーの柄がちゃんと真ん中で合うかどうかやってみないと分からないとの事でした。普段、服ではなくスポーツウエアを縫っている訳なので、そもそもこの様なイレギュラーな要望も無いのでしょう。

でも、そこは僕も頑張りました！同じ内容では無くても、フードにボーダーパターンを使った事例を探して、提案して、とりあえず本国にぶつけてみますと言ってもらい、リスク覚悟で委ねました。

代理店さんとしては懸念材料は伝えなきゃいけない立場ですが、僕としてはこの長きに渡って自国生産を貫いてきた事に対して、凄く信頼感はあったので、心配はそこまでしてませんでしたが、やはり、バッチリな仕上がり。やっぱり歴史は伊達ではありませんね。


今回の別注は、ぱっと見普通ですが、1枚着よりは重ね着に重きを置いて、プラスワンのワンポイントをチャレンジした、凄くウチらしいアイテムに仕上がったと思い、満足です。

普通に見えて、実は…。というのが僕は1番好きなのて、余計に僕的に大満足ですね。

前例のないチャレンジを行なってもらうにあたり、きっと担当さんにも色々頑張っても
ったのだと思います。ありがとうございました。

思いが強すぎるのか、ここまでで、自粛中のインスタばりの長さになってしまったので、何故フードの内側をボーダーにしたのか？フードリアンを使っての着こなしサンプルは、月曜からのインスタで何回かに分けてご紹介したいと思います。来週のインスタは、フードリアン祭りになる予定です。お楽しみ！

是非、連動して見て頂けたら嬉しいです。発売は、週明けの月曜日から予定しています。写真で見るより実物は数段良いので、お待ちしております。　

最後に、納品時の感動を一つ。

製品に品番付きのタグが付いてるのですが、そこにSTCの文字。stockman chofuの略ですね。ついでに納品時の段ボール箱にも。インポートウエアにウチの店の痕跡が…。嬉しかったな〜。

それでは！久々の超長文、お付き合い頂きありがとうございました。今週から隙を突いて秋服を楽しみましょう。

BARBARIAN
stockman調布店別注フードリアン
¥13,000( ¥14,300 in tax)

ストックマンマーケット調布　伊藤