いよいよ12月も折り返し、年の瀬ですね。ホント毎年思うのですが、10月から異常に早い…。最後の最後に、体調崩さぬ様に乗り切りたいですね!
今年最後の僕のブログは、最後の最後に滑り込みで入荷した、イレギュラーなアウターをご紹介したいと思います。
それが、CAMCOのアメリカ製、パイルフリースJKTです。
何がイレギュラーかと言いますと、まず、カムコと言えば、ウチでもヘビーネルが長年定番でワークシャツのイメージが強いブランドですが、カムコで手掛けるアウターという事。ウチにも初入荷です。
そして、アメリカメイドのアウターという事。日本のブランドが、わざわざアメリカで物作りする事、最近殆ど見なくなりましたね。その点も嬉しいイレギュラーかと思います。
カムコでのアウターは、不定期ではありますが、70年代〜90年代の近年モノの隠れた名品をベースに作っていて、基本はメーカーさんがやっているお店の直販アイテムで、卸しにかかる事もあまり無いアイテムです。過去にはN3-B型のダウン、ハンティングベスト、ウールのスポーツコートなどあったと記憶しています。(アウターに関しては大概がアメリカ製でした)
その直販のお店というが、神保町にあるのですが、アメトラベースの古き良きオーセンティックスタイルを貫いた素晴らしいお店で、(お店の広さや、アイテムの陳列の仕方は、Theオーセンティック!)、僕も好きで、たまにお店の覗いたり、ホームページを見て、特にこの辺のアウターを良いなぁと、毎度指を加えて見てた訳です。
近年モノの名品というのがポイントで、ビンテージのモノだったり、軍物のミルスペックだったり、ワークブランドのガチガチなモノや、アウトドアブランドのギア的なアイテムではなくて、それらをベースにカジュアルブランドが、着て良い様にアレンジしたモノや、ワーク、アウトドアブランドの中でも、服として着れて、服好き目線から見た名品を掘り下げて作っていて、僕も古着ではこの辺のジャンルが好きなので、個人的に突き刺さるアイテムばかり。
しかも、それぞれ、そのアイテムの中でも1番作り込みが良い時代のアイテムをピックして、生産国から、素材、部材まで、しっかり作り込みます。この辺はレプリカブランドと変わらないですね。
サイジングもほぼアレンジしないので、佇まいオーラは完全にアメリカ服。向こうが合わせてくれる訳じゃなく、こっちが合わせていかないと上手く着れないサイジングですが、またそれも着甲斐があって楽しい。
アイテム自体、着る事を前提とした気遣いが随所のディテールに見てとれて、合理的に、でもディテール盛盛、僕の大好きな時代の空気感がモロに感じ取れます。
しかも、どのアイテムもプライス設定が驚愕!それも直販ならではの設定。だから、中々卸せないのでしょうね。原価率が全く違うのだと思います。
そんなカムコのアウター、突然ではありましたが、久々のメールにてのオファー!そのメールにはリアルな在庫数と、早いモノ勝ちとの記載でしたので、速攻で直電によりオーダー。無事に確保出来ました‼︎
当然、もうとっくの昔に冬物のオーダーは終わっていて、入荷も全て完了していたので、イレギュラー入荷でした。でも次いつ作るか分からないアイテムですので、そこは見逃しません。皆さんにも、こういう本物のインポート臭のする良い時代のアメリカ服を見て頂きたい思いもありした。
やっと本題、今回のフリースJKT、世の中のフリースアウターの中で1番有名な、あのJKTのアメリカ製時代の初期型タイプの復刻です。
パタゴニアのレトロX、1996年の初期型モデルも元に忠実に再現したモデルになります。
現行のレトロXとは違って、胸ナイロンポケットのないのが初期型の特徴で、ポケット周りのナイロン補強や、ジッパー周り+襟元、裾元まで一周スパンデックスのパイピングが施させてたり、顎にジップが当たらない様にチンガードが付いていたり、シンプルながらも随所に着用を考えた気の利いたディテールが見て取れる、パタゴニアの黄金期の傑作の1着ですね。
胸ポケットの切り替えがないので、見た目がシンプルなのと、レトロXのあの胸の切り替えポケットのデザインは、世の中のフリースアウターの7割はあのデザインをモチーフにしてると言っても良い程溢れ返っているので、この辺の知る人ぞ知る名品をピックアップする辺りは流石。
この年代のパタゴニア製品は全体的にアメリカンなサイズより日本のサイズ感に近いフィットで着れるアイテムが多い時代で、このレトロXも着丈は短めで、割と着合わせのバランスも合わせ易いと思います。ただ、腕は太くて、身幅もドカッとしてるので、バッチリ重ね着は楽しめそうです。これもレトロシリーズの特徴ですが、内側にキャプリーンメッシュの裏地が付いてるので滑りも良く、インナーのアイテムを選ばす重ね着を楽しめるのも嬉しいポイントですね。
普通のフリースアウターだと、裏地もフリースなので、ウール製品は着れないですし、真冬は脱ぎ着する時に日々静電気との闘いも辛いところですね…。その点でも有り難い仕様です。
そして、このJKT、1番の肝入りなのが、フリースの素材。
今回のフリース生地は、アメリカで生地から作り込んだ特注フリース。毛足の長いパイルフリースを使用しています。90年代のパタゴニアの製品を研究し、最も良い毛足のバランスは、1/4インチであると判断し、生地メーカーに1/4インチの毛足を指定して、専用のパイルフリース生地を特注、縫製もアメリカでやってしまった、僕にとっては非常にスペシャルな逸品です。
実物を見て頂くときっと、コレは羊毛か?と思う程の天然素材の様な毛並みのフリースで、僕も初見なフリース素材です。
僕も実際、この年代のパタゴニアは好きでフリースもいくつか持っているのですが、当然全てユーズドなので、毛足は潰れてるのが多くてここまでの毛並み感は保ててないですが、きっとデットストックのモノと出会ったらこんな感じなんだろうなぁと、初めてオリジナルに出会えた様で、そんな目線で見ても堪らないですね。
あと、最後に。1番最後の写真ですが、ブランドタグの横に着く、生産国とサイズの入った織りネーム。右がオリジナルのパタゴニアのモノで、左がカムコのモノ。
タグの大きさ、文字の入り、文字のフォント、完全レプリカです。むしろこのタグの表記までレプリカしたくてアメリカ製に拘った様な精巧な作り込み。ここまで手を抜かないのが本当の服好きの作る服ですね。コレには最後の最後に1番しびれましたね。
この辺もレプリカウエアと対面した時の感動と一緒。昨今、少し前まで普通に出会えてた近年モノアウター達も、年月が経ってプライスも高騰、ビンテージウエアの仲間入りしてしまっているものも多いので、是非この辺のアイテムも積極的に復刻して頂きたい!
今回のカムコのパイルフリースJKT、かなり個人的趣味の入ったアイテムですが、着心地も非常に軽くて、実際ライトアウターとして休日に着て頂くには非常に使えるアイテムです。
今個人的にも推しなアイテム、スエットパンツとの相性も凄く良いし、身幅も腕もたっぷりしたサイズ感で重ね着も楽しいです(個人的にはアウターベストをインナーに挟むスタイルがオススメ。モダクトのベストを買って頂いた方々に是非な着こなしです)。低いスタンドカラーなので、クルーもパーカーもどちらも合いますし、マフラー、ネックウォーマーも巻き易い。
昨今、ヘビーアウターは着る機会が減ってしまったという声も聞かれますが、もしライトアウターカテゴリーのお待ちでない方、良い機会かと思います。プライスもちゃんとライトな仕上がりになっていますよ。
CAMCO
パイルフリースJKT
¥26,800( ¥29,480 in tax)
それでは、また。本格的な冬到来で、何をどう着るかにアウターも絡んできて、重ね着もMAX!今週も重ね着を楽しみましょうね!
ストックマンマーケット調布 伊藤
新たなレプリカウエア
21/12/18
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