お疲れ様です。
岡崎です。
ウクライナとロシアの件と世界情勢。
個人的に高校、大学と世界史をメインに
勉強していたため、関心を持たずにはいられません。
私たち若い世代は冷戦すら教科書で学び、
イラク戦争などは小学生でなんとなくニュースでやっていた記憶があるかないか。
イスラム国の問題も最近ありましたが、
内戦的なニュアンスが強かったために、今回のロシアの動きには色々と考えさせられるものがあります。
これをニュースで傍観し、平和ボケしていられる立場がどれだけ幸せなことかを改めて考えて、毎日を自分なりに頑張って生きて行こうと思いました!!
今回紹介するのはこちら!
Suger Cane
INDIA MADRAS CHECK BD SHIRT
INDIA IKAT MADRAS CHECK BD SHIRT
僕の大好きな、というか服好きがなぜか大好きなマドラスのシャツがシュガーケーンから
入ってきました。
マドラスのような派手な色のチェックがなぜここまで市民権を得ているかというと個人的なイメージでは、やはりアイビーファッションを象徴する服として挙げられるからではないかと思います。
1960年代、アメリカの西側ではヒッピー たちがLOVE & PEACEを掲げ、本当の自由を謳歌している中、東海岸ではハーバードやイェールをはじめとするエリート学生たちのトラディショナルな服装が一世を風靡しました。
インドの民族衣装、サリーとかなんとなく聞いたことがあるかと思います。インドには古くからそういった民族衣装に使う生地を織る習慣がありました。そこにイギリスの風が吹き込むんですね。中高の歴史で学んだのを覚えてますか?東インド会社。彼らはインドの特有の織物に目を付け、それらを輸入し、上流階級に親しまれました。マドラスチェック のパターンがどこかタータンチェックに似ているのはこの影響かと思います。
そんな影響を受けた発色の良いトラディショナルなチェックにフワッとした着心地のいいインドの生地が硬派なアイビーリーガー達をも魅了したのでしょう。個人的に60年代のマドラスBDを持っていますが、タグに「正真正銘のマドラスである」といった表記がなされるモノが多く、いかにリアルなマドラスが評価されていたかが分かります。
しかし、近年の技術の進歩によってマドラスチェックもそれ風のものが出回り、マドラスチェックのシャツも流通しているもののほとんどがそれ風な生地を使ったものです。
こればっかりは仕方ないのですが...
そんな中でこちらは正真正銘、
インドのマドラスチェックです。
是非、目で見て、袖を通して体感して欲しいです。赤道にほど近いところで生まれたサラッとした、フワッとした肌触り。
糸にも生地にもムラのある独特の表情。
加えて、片方のイカットはマドラスの中でも
珍しいタイプ。
イカットとはマレー語で「縛る」「結ぶ」といった意味の言葉で、日本でも絣織物に見られる伝統的な織物の総称です。
今回、Youtubeでイカットの織る過程の動画を何本も観ましたが、圧巻でした。
蚕の殻を破って、糸を紡ぐところから始まり、糸を束ねて並べ、作りたい柄の部分が染まらないようにビニール紐のようなもので糸を括るんです。それで括ったまま、染料に浸けて、染まるところ、染まらないところのムラができる。これを織って生地にしていく。
この織りの作業も鶴の恩返しに出てくるような手作業の織り機なんですよ。このシュガーケーンのシャツにそのレベルの生地が使われているかはわかりませんが、感動しちゃいました。セルビッチデニムとかのレベルではなく、伝統工芸だなと。
砂永さんが担当さんから伺った話ですが、
向こうのマドラスに使われる染料は日本では汚染の対象になるようで、そもそもこの色味自体出せないみたいです。特に赤系はダメなものが多いんだとか。
そんなこんなでシュガーケーン、このマドラスの為に専用の織りネームまで制作。
これは50〜60sのマクレガーで実際にあった
織りネームをシュガーケーンネームにオマージュ。「TRUE MADRAS」の名に相応しい最高の生地です。こだわってますねぇ。
そして、個人的に嬉しいのが色味と形。
赤い方はコレぞ。といったど定番の色味。
マドラスを持ってない方はまずこちらから。
イカットの方は敢えて、白とネイビーを基調とした落ち着いた色味。イカットはその筆でなぞったようなムラのある表情から多色のマドラスだと民族感が強く出るモノが多く、ちょっと個性が強く出てしまうかなという印象です。ちょこちょこイカットを使った服を見ますが、その民族感に重きを置いたモノが多い気がして、こちらは逆に新鮮でした。
そして形なんですが、
上記でも言った、アイビーリーガーに愛されたマドラスのBDシャツ。60年代特有なんですが、当時のシャツってジャケパンスタイルに挟むわけですから、身幅も細めで、裾はタックインよろしくなえぐれたラウンドのモノが多いんですよね。
その形までサンプリングしちゃうとどうしてもゆとりある服が多い現代では着づらいなと。そこで今回、形のサンプリングで持ってきたのは60年代のピルグリムのカジュアルなBD。
60年代のシャツ特有の小ぶりの襟、3点留めと服好きが喜ぶディテールは踏襲しながらもすごく着やすい。どこがカジュアルかと申しますと、まず、台襟がない。台襟がないことによって(襟が小ぶりなのも相まって)、BDにありがちな第一ボタンを開けた時の襟の開きがすごくナチュラル。また、やや身幅を設けて、裾をラウンドからボックスにすることで
1枚で、ボタンを閉めても開けてもサラッと着れる印象になっています。
サンプリング元のシャツは縫製がロックが中心で、作りもカジュアルだったため、さすがは東洋さん、そこは巻き縫いにしてモノの作りはいい方向に持っていく。抜かりないです。
いやー、これいいですねー。
個人的にはドンピシャすぎました。
アイビーに則って、ジャケットでタックインするも良し。ボックスなのでデニムにブーツでビンテージ ライクな服装も良し。
太いパンツにビルケン なんかもバッチリ。
合わないスタイルないですね。
至極、オススメです。
最後に今回リサーチしていて素敵だなぁと
思った文章を引用させていただきます。
「インディアマドラスは、それらすべての工程が稚拙で、しかも旧式な機械を使用しているから、生地に傷や織りむらが出る。また単糸で色が芯までしみ込みにくいうえに、染料も安定感がないので、ひと夏着ると色が泣き(ブリーディング)やすい。
これらの欠点は、インディアマドラスの独特な味わいでもあるのだが、この独特な魅力も、現代社会ではなかなか通用しない。縫製工場はミシンが汚れるといって縫製を嫌がるし、小売業にとって、生地の傷や色褪せは返品の対象だ。
今日、本物のインディアマドラスチェックを市場で見つけたら、それは服好きのバイヤーやらメーカーの企画者たちが根性を入れて工場に頼み込んで作らせた、汗と努力の賜物と考えて間違いはない。
消費者の皆さん! そんなときは、財布のひもを優雅な手つきで緩めてあげてほしい、と筆者は願うのである。」
引用:NEWYORKER MAGAZINE icon of trad
vol.8 インディアマドラスにまつわる ブリーディングな物語
URL: https://www.ny-onlinestore.com/shop/pages/magazine-know-iconoftrad-9377-.aspx
Suger Cane
INDIA MADRAS CHECK SHIRT
INDIA IKAT MADRAS CHECK SHIRT
each ¥ 15,180 tax included
あと、最後にもうひとつ!
私事にはなりますが、私、岡崎、
3月いっぱいを持ちましてストックマンを
卒業させていただきます!
また、どこかのタイミングで改めて告知
する?かもしれませんが、4月からは将来
やりたい事のため、次のステップに移ろうと思っています。
しばらく何年かは仕事で服に携わる事が
無くなるのであとひと月、楽しもうと思います!常連さんをはじめとして最後にいろんな方に会えるのを楽しみにしています!
送別品をよろしくお願いします!
では!!
本場のマドラス
22/02/27
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